5月に会ったばかりだというのに、やっぱり娘が帰ってくると嬉しいのかね。
それとも一緒に丸岡城へ行ったことが嬉しかったのかね。
バニ子が大好きな銀ムツの照り焼きを準備し、夕食まできっちり作ってくれた父Kイチ。
・・・こんなに至れり尽くせりで、逆に気持ちが悪いよ、おとっつあん。
夕食もたらふく食べ、風呂も入り、後は寝るだけ・・・となったところ、
テンション高めの父は、昔ジャパネットで購入した
パーソナルカラオケ 『On STAGE(オン・ステージ)』 をつなぎ、
ビール片手に揚々と歌い始めた。
それはそれは大音量で。
我が家は近所に家があまりなく、たぶんご近所さんも馴れっこなのか、
特に苦情も来ない。
(もちろん防音壁などありゃしません。)
いい感じに酔っ払い、歌も歌い終えて満足した父。
ふと娘が翌日の夜便で東京に戻ってしまうのが、寂しくなったようだ。
安眠妨害の何者でもない、と我慢し続け、ようやく静かになったと
もう寝ようと布団に入りかけたバニ子の部屋にやって来た父。
突然「何か欲しい物ないか?」と聞いてきた。
そりゃ高価で自分じゃ買えない物で欲しい物はたーーーーーくさんあるけど、
そんなの言えない。
だから、「特にない。」って言ってみた。
そしたら、「そんな遠慮せんでええって。」と言う。
うーーんと悩んでみたけれど、特に思いつくものが無い。
それで寝ようとしたら、父がシュンと小さくなっていくではないか。
子供かっ!
めんどくせーなぁー。
だから、ふと思い出した物を欲しいと言ってみた。
それは「枕」。
東京でもなんだか寝つきが悪い上、
福井に帰ってきてからは毎日違うところに寝泊りしてたから、
ものすごーーーく寝不足だった。
「余ってる枕なんかないよねー。」
ポツリと言ったその言葉。
それを聞いた瞬間、父Kイチの顔がパアァ~と明るくなったのである。
キラーンと光る目。
「ちょっと待ってね。」そう言い残すと、すくっと立ち上がり、
バニ子が寝ようとしていた客間の押入から枕を取り出す。
更に隣の和室の押入からも枕を取り出す。
更に二階へダダーーッと上がり、自分の部屋の押入からも枕を持参。
夜12時。
息をゼーゼー切らしながら「どうやっ!」とばかりに並べられた枕のラインナップ、
計10個
・・・どんだけあるんだよ、この家 (;^_^A
父Kイチしか住んでいない一軒家。
なのに新品枕を含め、ほぼ『新品枕が計10個。
しかもほとんど違うタイプ。
蕎麦ガラ、低反発、磁器付き、パイプビーンズ・・・etc
寝具売り場の店員となり代わった父Kイチ。
ひとつひとつ、こんな特徴がありま~すと、嬉しそうに説明を始める。
「お姉ちゃんやバニちゃんが帰って来た時に使えるように、
って思って。」だそうだ。
あたしなんか3年ぶりの帰省なのに。泣ける話じゃないのっ!
(ちなみに姉は年イチ帰省してるらしいです。)
ホテル以上のサービス精神。
さぁ、お好きなの選んで寝て頂戴!って感じ。
とりあえず適当に選んで決めかねる3つの枕。
どれにしよう・・・と悩んでたら、「3つとも持って帰んね。」と言うことになり、
結局東京に送る荷物に3つとも入れられた。
実家に帰り、まさか枕を3つもGETできるとは、ヨソウガイ。
っていうか、家にあんなに枕があること自体も、ヨソウガイだったけど。
バニ子が欲しいといった枕をあげることが出来、大満足の父Kイチ。
残った7個の枕をまたもや息を切らしながら片付け、
安心して眠りに付いたのでした。
あの時貰った枕で今寝てます。
↑いい感じだよ、お父さん(^v^)v
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