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バニ子は中学・高校第一種教員免許(理科)を持っている。
(※教員免許に関しは、2009年4月から更新制の導入により、
  更新できないあたしは剥奪まちがいなしだけど。)

どっちみち、直接仕事に関わる免許ではない。
それでも、取得した(しようと思い立った)当時は、教員も本気で憧れていたから取得した。

教員免許の取得はかなり大変だった。
通常コマの授業に加え、教員免許に必要な授業を受けなければならない。
テストも倍だし、時には夏休みを潰して地学実験実習に費やしたこともある。
そんな思いをしてでも、取りたかった。

でも、教育実習を受ける頃には、教員になりたい気持ちは、すっかり冷めていた。
それでも、数年かけてがんばったんだから、免許だけは取ろうと思った。
そこでバニ子は、出身校である丸岡中学校に教育実習に行った。

初めて会った担当の先生に「教員になる気はあるのか?」と聞かれ、
正直に「ありません。」とぶっこいた。(若気の至りだね。)
そのせいか、とーーても、楽チンな教育実習だった。
大学に戻って、いろんな子に話を聞くと、
ノイローゼになりそうなくらい辛かったという子もいたので、
よかったなーって心底思ったくらいだ。

教育実習はとっても楽しかった。
あたいは中学1年生のあるクラスの担当になった。
5月か6月に実習に行ったので、ついこの間までは小学6年生だった子ばかりだ。
むっちゃかわぇぇ~って感じだった。

理科だから白衣を着る。
よくあるTVドラマで白衣を着た保険の先生が、
妙に色っぽかったりして、生徒を悩殺しているイメージだったが、
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残念ながら、あたいはそうはいかなかった。
あたしは背が小さいから、すっかり混ざると生徒と見分けがつかないくらいだった。

同じ実習生にはバニ子を含め5人くらいいた。
短大の子や大学の子、全員女子だった。
理科教員室にデスクを用意してもらったけど、ほとんどそこにはいなかった。
実習生用の教員室か、担当したクラスにばかりいた。

クラスの子はとてもなつっこくて、
「先生、あたし、○○君が好きなの♪」とか言ってくる女の子までいた。
「この子はイケメン要素たっぷり、将来有望」って思う男の子もいた。
あたしは教室の一番後ろにパイプ椅子を置いて、
担当先生の授業を聞いたり、ホームルームに参加した。
ランチは班毎に別れるので、毎日クルクル班を巡って一緒に食べた。
ほぼ生徒と化していた。

担当先生にはすっかりほっとかれていた。
忙しい人で、必要な時には学校中を探さなければいけない先生だった。
まあ、それくらいがありがたかった。好きなこと出来るし。
担当する授業の学習指導案も図書館のPCを使っていいよと言われ、
ご丁寧に、見本の参考書まで貸してくださった。
(後で友人に聞いたら、ほとんどの子が手書きの学習指導案だったらしい。)

そんな楽チンな教育実習だったが、それなりに記憶に残ったことを書いてみよう。

【2年生 : 理科-「水の分解」実験】
・生徒を前に集め、H字管(H型電解装置のこと)の名称を説明した途端に、
 ニヤニヤされる

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・女子生徒1名が「水酸化ナトリウムが手に付くと肌が荒れるから触りたくない」
 という理由でサボっていたのを発見し、注意して無理やりさせたら、案の定失敗
・実験で使用した水酸化ナトリウム水溶液を回収しなくてはならなかったのに、
 すっかり言い忘れ、ガンガン水道と一緒に下水に流される
・45分間で前回の復習・今回の実験説明・実験誘導・片付け確認が収まりきらず
 ランチ時間帯にまで食い込む
・ランチ時間に食い込んで焦ったので、使用済みビーカーを片付け忘れ、
 翌日思い出して準備室に駆け込んだら、どなたかが片付けてくれていたから、
 知らないフリを突き通す


【1年生 : 道徳-「尊重心を育む」】
・授業を始める前に体と心をほぐす為、簡単なゲームをしようと提案し、
 男女1列に並ばせて、「横の人と手を繋いでー」と言ったら、
 一斉に「イヤー」と拒絶される
・仕方ないから女の子同士、男の子同士で手を繋がせて始まったゲームが
 想像以上に盛り上がり、「もう一回!」とアンコールまでされて、
 いい気になって「じゃあ、もう一回だけね」とか答えてたら、授業のほとんどを取られた
・肝心な「尊重心」を理解させるために色々手を尽くしたが、
 最終的に一番頭がいいであろう学級委員長に「言いたいこと、理解できた?」
 と尋ねたら、「ボク頭が悪いんで分かりませんでした。」と言われ、愕然とし、
 フォローしようと思ったら、終了チャイムが鳴り響き諦めた
・そんな授業なのに、見ていた担当の先生は「いい授業だったよ」と褒めてくれた
 

【休み時間 : 合唱の練習を見て涙ぐむ】
ちょうど校内合唱コンクールの時期だった。
体育館のステージでは担当したクラスが合唱の練習をしていた。
曲目は「翼をください」だった。
かわいいし、最終日2日前で名残惜しく感動して涙ぐんでいたら
その姿をおばさん先生に見られ、担当の先生に伝わり、
「感受性のあるいい先生になりそうですね。」と言われたと、報告された。
気まずい空気が流れ、かえって、大変、申し訳なかった。


【授業中 : 生徒の散歩と遭遇する】
懐かしい校内を探索した。
図書館はすっかり新設されていたが、音楽室は変化無かった。
トイレもすごく懐かしかった。
(友達と家庭科の授業をサボってトイレでお菓子を食べていたのを、
 見回りの先生に発見されてビンタくらったのを思い出した)
探索していたら、女同士手を繋いで廊下の向こうから歩いてくる生徒に遭遇した。
バニ子 : 「あれ?こんなところで何してるの?」
女生徒 : 「・・・散歩。」
バニ子 : 「へぇー。」
にこやかにその会話だけで通り過ぎたが、2分後くらいに、
あいつら授業サボってたんだー!と気付いた


【放課後 : 中学3年生の愚痴に付き合う】
校門の前でスカートを捲り上げて足の毛をピンセットで抜いている生徒を見かけた。
バニ子 : 「こんなところで、そんなことしてないで、早く帰りなさい。」
女生徒 : 「ねー先生、同じ実習生に国語の先生いるでしょ?」
バニ子 : 「あぁ、あの若くて綺麗な先生ね(短大の子)。」
女生徒 : 「そうそう、あいつさぁー、男子の前で態度変わるんだよねー。」
バニ子 : 「あら、いいじゃない。
       あたしだってかっこいい子の前だと生徒でも態度変わっちゃうわー。
       だって、人間だものー♪」
女生徒 : 「先生は別にいいの。」
「なんでよっ!」と思ったが、その気持ち分からなくもないので、あえて何も言わなかった


今思うと、たった2週間だったんだから、
もうちょっとまじめに取り組んでもよかったかなーって思う。
放課後もさっさと帰宅しないで、担当クラスの教室を掃除したり、
生徒達の部活動を見学してもよかったかなーって思う。
こんな適当な実習だったのに、他の実習の先生より一番でかい花束を貰った。
最終日に撮影したクラスの生徒全員との集合写真は宝物だ。

あの時、まだまだ青かった彼らは、
ヤンキーになったり、モテモテになったり、イジメられたり、様々な経験を積んだだろう。
そんな彼らも、今では進学したり、社会人になっている年齢だ。(歳も取るわけだ)
もしかしたら、どこかで有名人になってたりするのかもしれない。

とりあえず願うことは、
無邪気に笑っていたあの子達が、今でも笑っていますように



バニ子も今日は大笑いです

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