あれから10年も、この先10年も?_d0020828_1024622.gif

浅草寺内にある五重塔。
そこから自転車で15分のところに大学時代の先輩夫婦が住んでいる。

土曜の真夜中、突然その先輩から連絡が来た。

「来月から青森に転勤になった。
今住んでいるマンションは賃貸にする予定なんだけど、バニ子、どうだ?」


バニ子は今のアパートに住んでかれこれ10年。
そんなにお気に入りなのかというと、別にそうでもない。

確かに10年も住むと、この部屋にも商店街にも、愛着は出てくる。
この部屋に訪れた友人との思い出や、かつての彼氏と過ごした一時、
マクドナルドが潰れるほど少ない人口だけど、
毎年恒例の阿波踊り大会などイベント満載の商店街。

それらはすべて、お金で買えない価値 -Priceless-
お金で買えるものは、バニ子まで。 (お待ちいたしております)


でも、何度となく引越しを考えたりもした。
それでも今まで引っ越さなかったのは、単に引越し代がなかったからだ。

今回の先輩の申し出は、とても魅力的な内容だった。
・家賃は現在より8000円マイナス(相場より2万も低い設定)
・敷金、礼金、更新料なし
・転勤から帰省してもそのマンションには住まないから何年でも住居OK
・駅から徒歩10分
・徒歩2分圏内に総合病院&ローソンあり
・上野駅より2駅、銀座まで15分
・4年前に部屋内総リフォーム済み
・風呂・トイレ別・室内洗濯機置き場あり・1LDK8畳・収納大・ベランダ大・東南向き
・徒歩5分の商店街にはイオンあり


電話で聞く限り、断る理由なし。

ただし、住むかどうかの返答は3日以内にしろ、と言う。
バニ子    : 「・・・そんなご無体な。。」
役者その1 : 「そんなこと言わずに、ほれ、ちこー寄れ。」
バニ子    : 「あっ、お待ちくださいませ、お代官様。アレ~~」
役者その1 : 「ほれ、越前屋、お前も参加しろ。」 
役者その2 : 「そうですかぁ~、それじゃあ、遠慮せず。ウシシッ。」
役者その1 : 「越前屋、お主も悪よのぉ~。ウヒョ。ウヒョ。」



・・・ゴホンっ。
日数もないからと、日曜に早速先輩のマンションを訪れた。
確かに部屋はとても綺麗で、間取りから設備から、文句なしの物件。
ベランダや屋上からは、隅田川の花火大会が見えるらしい。
浅草寺にも自転車で15分だから、浅草三社祭にも気軽に行ける。

先輩は自転車で街並みを案内してくれた。
近くには商店街が大小合わせて2つ。
大きい商店街にはイオンもあるけど、小さなお店もあって、そこそこ活気付いていた。
でも、小さい商店街は殆どのお店がシャッターを締め切り、
先輩いわく、日曜は休むらしいとのことだった。
(日曜に休む商店街って、どういうこと?)


さほど、問題も感じられないけれど、なぜかバニ子は即答できなかった。


長年引っ越したいなぁ~と漠然と思っていた。
だけど、貯金が出来ない性分なので、思ってはいたけど、どこかですっかり諦めていた。
まあ、この部屋住み心地いいし、いっかぁーって感じだった。

それが突然舞い込んできた引越し話。
しかも、かなりのいい話。


迷った。
迷う必要なんて無いかもしれないけれど、迷ってしまった。
どうしてこんなに迷うんだろうと、考えた。

治安の悪さが気になる?
最寄り駅の暗さが気になる?
街並みの古さが気になる?

どれも迷う原因のようで、そうじゃないような気もする。
そして、たどりついた結論。



やっぱり、なんだかんだ言っても、今の街が好きなんだなぁ~。



10年も住むと、愛着がわく。
上京して2年目からずっと今まで住んでる街。
丸岡は産まれ故郷だけど、ここもすっかりいつの間にかバニ子にとっての故郷なんだ。



そして、先輩に断りの連絡をいれた。



この街に住むかもしれないと、いろんな覚悟をしながら行った先輩の街。あれから10年も、この先10年も?_d0020828_132334.gif
そこから自分の街に帰ってきた時に、
改めて感じた安心感と安堵感。


これからあと何年、この街に住むことになるんだろう。
先輩にも言われたけれど、何の予定もないから、
あと5年はいそうだなぁ。
冗談で言ってた「この部屋からお嫁に行くよ」が
本当になるかも。
まぁ、お嫁に行けたらまだ良しで、
いけずに更に何年も居る羽目になるかも。

・・・そしたら、確実に下の大家さんに白い目で見られそうだけど・・・




バニ子には目標がある。
この部屋から、お嫁に行くこと。
そして、下に住んでる大家さんから、ご祝儀をたーんと、ふんだくるっ!こと。

だって、あたし相当大家さん家の家計、支えてるでしょ?(笑)




バニ子家の家計も、どなたか支えてください。

↑この様子じゃ、もう10年は居座ると思う人はクリーック!